皆様へ。

日曜日に、円坐フェスが終わりました。すべての円坐が満員御礼で、参加者は延べ150名以上を動員するフェンスワークス始まって以来の大きな「フェス」となりました。主催の田中聡と僕は、ゴールデンウィークだし、あまり人も来ないだろう、世界で一番小さなフェスだ、などと予想していましたので、今はただびっくりしているところです。ご参加くださった皆様には、心より感謝と敬意の気持ちを捧げます。

円坐は、僕がこれまで人生で経験したどのグル―プや場とも違っています。ひとつは、円坐を仕掛け、仕切り、仕舞う(終う)「円坐守人」の自由度の高さ。それはそのまま、守人個人の存在としての真剣度の高さです。橋本久仁彦は、今までの実人生のどの場面より、ただ「橋本久仁彦」として懸命に円坐に坐ることになります。それは、僕にとっては僕自身を丸ごとすべて投入できる最高の楽しみであり、同時に、僕という人間の隠れた正体がすべて浮き上がってくる恐怖でもあります。

円坐では、ファシリテーターやセラピスト、僧侶や宗派、○○療法というメソッドの名前や、○○の会といったテーマや目的など、「あらかじめの設定(概念)」に自分をアイデンティファイして安定することができません。参加者(坐衆)に対して事前に了解してもらう「守人の資格や経歴」はなく、「円坐のやり方や望ましい結果」もなく、守人や坐衆の「人間としての生(なま)の力」と、二度と繰り返すことのない「時間と空間」だけがそこにあります。坐衆も、守人の資格や経歴、理論やメソッド(やり方)にあらかじめ同意していませんし、またその必要もない場ですので、僕のように、人生の大部分を「自分は○○だ」と設定して他者との関係を生きてきた者にとっては、文字通り試練の場となります。

もうひとつは、円坐の舞台性。円坐フェスにおいて、いくつかの円坐は、まさに縁坐舞台と同じ展開を見せました。円坐の「圧」が高まり臨界点を超えると、坐衆が「縁坐ヒトガタ」として動く様子が見えます。円坐そのものが縁坐舞台に変化(へんげ)すると、坐衆全員も縁坐舞台上に坐っていることになります。

このような、複数の人間が確認できる形となって現れた圧力の高い円坐(舞台)を経験することで、僕は、自分が過去に経験してきたメソッドやアプローチ、例えば即興のダンスや演劇、プレイバックシアターやコンステレーション、カウンセリングやサイコドラマなどの心理療法や各種の瞑想に、何を求めて参加していたのかが分かるようになってきました。そして、なぜ僕が縁坐舞台と円坐と未二観だけを保って生きているのか、という問いへの答が見えてきました。

縁坐舞台も円坐も未二観も、すべて僕以外の他者のまなざしの中に直接生じる舞台です。そして僕、橋本久仁彦は、本当に、正真正銘、他者のまなざしという舞台上の一役者に過ぎないのです。

舞台はやがて終わります。その時、舞台上の橋本久仁彦も終わります。縁坐舞台から観ると、実人生の「橋本久仁彦」は、すでに「終わっていた」んだなと分かります。他者のまなざし(人生)という舞台上で「振舞う」ために「橋本久仁彦」という過去の役柄(反応)を辿り、演じているのです。

我々が他者(世界)という舞台上に「私」を設定して「居る」という視界の中で、橋本久仁彦にまつわる喜びと恐れも変容します。喜びは、橋本久仁彦から解放されて初めて、「本物」になり、普遍的な喜びになります。恐れは、橋本久仁彦とともに、初めて、消えて無くなります。この地点で、舞台であった「他者のまなざし」は、そのまま「私のまなざし」となって、「他者」も消えます。こうして、存在するのは時空間としてどこまでも広がる「わたし(あなた)」というひとつの舞台だけになります。
きくみるはなす縁坐舞台は「きみは舞台」と折句になっている、とかつてある麗人にご指摘いただきました。あらためまして、ありがとうございました。

「他者」が消えるとき、あれほど頑強だった恐れが無くなるというのは、僕にとっては大きな大きな発見でした。あなたはわたし、わたしはあなた。彼方は此方、こちらはそちら。上かと思えば下かいな。どこにもいるよでどこにもおらず、あんたにホレたらあたしも消えた。二人のはずがいつでもひとり、これじゃ生まれも死ぬもなく、あのよもこのよもなくなって、あんたとひとつの影舞三昧。うらをみせ、おもてをみせて散るはだれ?

他者が消え、自分が消え、分別が消えると、「私の」という我執は、噴き出る温泉のような生きたリズムの「わたし」に変化(へんげ)して、終わりのない往ったり来たりの生命の脈動の渡し舟、すなわち「うた」になります。我執を離れた人は、終わりのない「うた」を生きるようになります。

そこには透明広大な
未踏の聖域在りますと
自分の影を舞う人は
有縁の者に申すなり

きくみるはなす縁坐影舞
果たして誰が舞いおるか
私かあなたか
生者か死者か

差し向かい 一礼交わして指先に
玉の緒触れるその刹那
往生成仏 転落地獄 往きつ戻りつ無縁橋

縁(ふち)に坐りて影を舞う
影舞道の道往きは 一期に一会 我ら皆
儚(はかな)く舞い散るばかりなり

散る桜 残る桜も散る桜
己の芯に花開き
自他の境に散り坐る
そを坐・フェンスとは名付くなり。

この影道を歩む僕の形が、縁坐舞台であり、円坐であり、未二観であり、この鬼道を歩む僕の道連れが、口承即興~縁坐影舞空間 坐・フェンス です。

人のゆかぬ奥の山、裏道を辿り往く狂い旅のゆえか、秋の木の葉が散るように、かつての友も懐かしい面影となり果てました。今日ここまで辿りきぬ、縁坐舞台を見渡せば、自他の境に散り坐る、紅きもみじ葉四枚(仕舞い)あり。

坐・フェンス筆頭 田中聡。
坐・フェンスヒトガタ役者 くぅこと松岡弘子。
坐・フェンス囃子方 橋本仁美。
坐・フェンス見習い 田島由起子。

以上の四氏への謝意をまず表明させていただいて、表記稽古会開催のご案内とさせていただきます。


口承即興~縁坐影舞空間 坐・フェンス
橋本久仁彦



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みなさま

こんにちは。縁坐影舞と縁坐舞台 稽古会のお知らせです。今年は夏までに3回の稽古を行います。初めての方でもご参加いただけますのでお気軽にお申込みください^^

最近は、縁坐舞台のヒトガタ役者の在り方と、円坐の守人のそれに多くの共通点があると実感しています。

ここ7年、僕は怒りについての取り組みをしています。時を経てずいぶん怒りっぽくなったなと自覚しています^^ 一方で最近、目の前にいる相手に怒らされている可能性があるのだ、と考えるようになりました。いま僕が怒っているのは自分の怒りではなくて、相手の怒りを僕が代理的に表明している可能性があると。・・・こう書くとこの感情は一体誰のもの?というように感情が所有物のようにおもえてきますね^^

実際には、まるで誰かの風邪が伝染るように相手のさみしさや怒りがこちらにうつって、自分も相手と同じような感覚感情がわいてしまいます。

これはいわゆる共感能力との区別が付きづらいところだとおもうのですが、わざわざ代理的という言葉を使ったのは、相手が怒りを表明せずにその人自身がそれを抑圧的に扱った場合、またはないものにした場合、こちらがイライラしてくるという現象が起きるからです。つまり、代理的に相手の感覚感情をこちらが体験することになるのです。

ここに縁坐舞台のヒトガタ役者として舞台に上がる際の恐怖があります。というのも、縁坐舞台ではまず円になって座り、座衆の言葉を聞く(辿る)ことから始まります。その後、ヒトガタ役者が舞台に上がり動き(運び)となるのですが、このときヒトガタ役者の身に起こる感覚感情は、ヒトガタ役者自身の過去の記憶から生じているものなのか、たったいま聞いた座衆の言葉に乗ってきたものなのか、分からないままだからです。そして「あなたのこと」と「わたしのこと」を確実に分けることができない、不確実な領域への移行によって恐怖が生じるのです。

また、縁坐舞台は複数のヒトガタ役者が舞台に立ちます。自分一人ではなく複数人の動きによって刻々と変化する場では事態はより複雑になり、物事の全体を把握する思考のエラーを引き起こします。

一方で、この分からなさの領域に突入することが、自ずとヒトガタ役者を真剣にさせる機能として働くとも考えています。また、ヒトガタ役者が傲慢さやスター性を帯びない所以であるともいえます。

この恐怖を幾度となく体験し、結果を分かち合うことが、非構成的な場づくりを行う僕にとって一番の稽古となります。

今回は公開稽古会ですので、
ご関心ある方、どうぞお越しください。

田中聡


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縁坐影舞と縁坐舞台 稽古会
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▶日にち
2016年5月13日(土)~14日(日)

※通いで2日間の開催となります。
※初日のみのご参加も可能です。
※その他の日程
・第2回 7月8日(土)~9日(日)は2日間通いでの開催となります。
・第3回 8月27日(日)は一日のみの開催となります。

▶時 間
12:00~18:00頃まで
※ 随時、途中休憩が入ります。
※ 終了時間は延長する可能性があります。
※ 食事は会場近くの飲食店か、お弁当をご持参ください。

▶会 場
studio CAVE(大阪市西区千代崎2-2-13)
http://www.fenceworks.jp/access.html

▶ファシリテーター
口承即興~縁坐影舞空間 坐・フェンス
座長 橋本久仁彦

▶参加費
二日間ご参加場合    18000円
一日のみのご参加の場合 10000円

▶定員
10人程度

▶お申込み
メールにて受付けいたします。
・メールの件名に「縁坐影舞・縁坐舞台 稽古」とお書き下さい
・お名前(ふりがな)
・当日の緊急連絡用として携帯電話の番号
・お住いの都道府県名(例:大阪府)
をご記入いただき、

fenceworks2010□gmail.com(□を@に変換してご利用ください)
担当 フェンスワークス 田中 聡までご連絡ください。




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