円坐守人研鑚クラス 実践編
(募集は終了しました。)

皆様へ。

フェンスワークスの田中聡氏が企画してくださった一年半に渡る円坐守人研鑚クラス 実践編をご案内いたします。

先日、『オープンダイアローグ』という本の書評を書かせていただきました。医学書院発行の『看護教育』2月号に掲載 されていますが、その中で、非構成的エンカウンターグループとオープンダイアローグについて少し述べました。
(※書評原稿はこのメールの一番下にあります。)

エンカウンターグループのファシリテーターが自覚している人間関係や場作りのための態度的条件は次の3点です。

1.無条件の肯定的尊重
(相手のどんな感情や考え、態度でも肯定的に尊重すること)

2.共感的理解
(相手の感情をあたかも自分が感じているかのように理解すること)

3.自己一致
(言葉と態度あるいは表層意識と体感が一致していること)


フィンランドから報告されたオープンダイアローグが成立するための条件は、以下の3点の態度的要素をファシリテーター(場を作る者)が志向していることです。

1.ポリフォニー
(どんな態度や考えでも尊重し、その存在を認めること)

2.対話主義
(理解不能と思われる相手とも、互いに共有できる言葉を生み出し対話の場を作ること)

3.不確実性への耐性
(その場に起こっていることの分からなさに耐え、技術を使って早く解決したいという思いに抵抗し、一人の人間としてその場に居続けること)


日本人である僕が実践しているのは円坐ですが、円坐守人としての僕の方向性を言葉にしてみました。

1.我執
(人には我執があり、自己中心的に自他や場を操作しているという事実をありのまま認めること)

2.辿り
(たとえどんな言葉でも、形を崩さずそのまま最期まで辿り、「唄って」みること)

3.ことなり
(自分自身や坐衆の内面に兆す異和感を「ことなり」として真摯に辿り、安定した円坐秩序の崩壊を恐れないこと)

その結果として場全体に

4.照らし
(場の空間や坐衆全員の意識が明るくなること)

が生じます。


さて、エンカウンターグループもオープンダイアローグも円坐も、同じ視界を違った表現で言っているのでしょうか?あるいは、根本的な立ち位置の違いがあるのでしょうか。だとすれば、その「根本的な立ち位置の違い」とは何でしょう?共に研鑚できますご縁を心より楽しみにしております。


円坐守人研鑚クラスに向けて。
橋本久仁彦

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円坐守人研鑽クラス 実践編 開催要項
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▼事務局からのご案内
この度、橋本久仁彦氏を講師として円坐守人研鑽クラスを開催する運びとなりました。

このクラスはこれまで橋本さんが開催してきたクラスを拡張したっぷりの時間をとって、1年半のロングランとなります。

本クラスでは円坐やレビューをしている時間だけでなく、フェンスワークスごはん部がつくるおいしいご飯を食べながら、また、懇親会で少しお酒を飲みながら、ときに寝る間を惜しみながら、ファシリテーションや守人、場で起こっていること、自分のこと、お互いの人生について語り合い、聴き合う時間をもちたいとおもい1泊2日で宿泊型にしました。

たぶん毎回濃い~時間になると予想されるので^^;毎月は多いかなとおもったのと、非構成的な場では、いったんその場を離れて一定の時間が過ぎると見えてくる視界や景色、言葉になる感覚があるので2ヶ月に1度の開催になりました。

実践編と名付けたのは、すでにこれまで橋本さんの講座に参加した方と「で、実際やってみてどうですか?」とか、「今こんなふうに考えているよ」とかを分かち合い、学び合う機会を得たいなとおもったからです。全く初めての方々というよりは、これまでに何らかの形で橋本さんの場に参加された方や、すでにご自身で実践している場がある方々とご一緒したいと考えています。(詳しくは下記要項を御覧ください)

そして今回のクラスでは、通常の守人研鑽クラスで行なっているレビューやフィードバックだけでなく、参加者同士の分かち合い、学び合いのためのミーティングを設けます。このミーティングから本クラスをスピンオフする形で何かの企画が生まれる可能性があると おもっています。また、守人研鑽クラスでは機会のなかった橋本さんが守人をする円坐も設けており、このことによって橋本さんの人間観や、場の見立てに直接的に触れられるのではないか、と考えています。

今年の5月から始まります。

あたたかくなった頃、よき仲間と巡り合うことができますように。

フェンスワークス
田中 聡


【日 程(2ヶ月に1回開催)】
1.2016年 5月28日(土)~29日(日) 1泊2日
2.2016年 7月17日(日)~18日(月祝)1泊2日
3.2016年 9月18日(日)~19日(月祝)1泊2日
4.2016年11月 5日(土)~ 6日(日) 1泊2日
5.2017年 1月21日(土)~22日(日) 1泊2日
6.2017年 3月19日(日)~20日(月祝)1泊2日
7.2017年 5月20日(土)~21日(日) 1泊2日
8.2017年 7月16日(日)~17日(月祝)1泊2日
9.2017年 9月23日(土)~24日(日) 1泊2日
10.2017年11月18日(土)~19日(日)1泊2日

【スケジュール例】
・1日目
13:00~16:00 橋本久仁彦の円坐
16:00~18:30 風呂&夕食
18:30~21:30 フィードバック

・2日目
 9:00~10:00 モーニングミーティング
10:30~13:30 参加者の円坐
13:30~14:45 昼食
14:45~16:45 フィードバック


【会 場】
石切円坐基地(東大阪市石切町)
※最寄り駅は近鉄石切駅です。
※お申し込みを頂いた方に当日の集合場所をお伝えします。


【定 員】
10名程度


【参加費】
297,000円(全10回)
※この費用に含まれるもの 全ワーク費・宿泊費・食費(1泊2日3食)
※この費用に含まれないもの 布団代(希望者のみ)
※宿泊は男女別部屋での雑魚寝となります。レンタル布団が必要な方は別途実費(1泊3000円程度)が必要となります。詳細はお申込後にご連絡いたします。
※雑魚寝はちょっと・・・という方は会場近くにホテルがあります。お問い合わせください。
※参加費を分割でのお支払いをご希望の方はその旨ご連絡下さい。


【講 師】
橋本 久仁彦


【スタッフ】
田中 聡
フェンスワークスごはん部一同


【参加資格】
・これまでに橋本久仁彦による、円坐守人研鑽クラス又はファシリテーションクラスに参加したことのある方。
・ミニカウンセリング参加されたことのある方
・円坐(エンカウンターグループ)をすでに実践されている方

※上記のいずれかに当てはまる方
※上記に当てはまらない方で参加をご希望の場合は、志望動機をお書きの上お問い合わせ下さい。橋本久仁彦と相談(面談)の上、参加可能となる場合があります。



【研鑽クラスの内容 例】
・橋本久仁彦が守人になって180分の円坐
・橋本久仁彦の円坐についてのフィードバック
・参加者が守人になって180分の円坐
・参加者の円坐についてのフィードバック
・円坐や守人についての味わいや、分からないこと、気になることの分かち合いや学びあう場を設けます。(モーニングミーティング)
・研鑽クラスの進行具合により円坐守人の理解を深めるため、影舞や縁坐舞台等を行う可能性もあります。


【申込み/問合わせ】
fenceworks2010■gmail.com(■を@に変換してご利用下さい)

上記メールアドレスに
・氏名(ふりがな)
・携帯電話番号
・参加動機

をご記入の上、
担当 フェンスワークス 田中 聡 までお申し込みください。
お申し込みされた方に参加費のお振込先をお伝えいたします。


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『看護教育』(医学書院)2月号所収
「オープンダイアローグとは何か」
(※橋本久仁彦 書評原稿です。)
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一読して感じたのは、セイックラ教授らスタッフの、人と人との「あいだ」を感じ取る力、「空間」を認識するセンスの確かさだ。

私は30年ほど前に非構成的エンカウンターグループに出会った。教師と生徒や、セラピストとクライエントの関係ではなく、今この場にいる一人の人間として目の前の人に向かい合うファシリテーターの姿。若い参加者だった私は、専門性を前に出さない人間臭さや、時に弱さも見せる誠実な態度に素直に惹かれていた。

我と汝という実存的な在り方を志向し、メンバーのどんな発言にもていねいに耳を傾け、それぞれの在り方を尊重した上で、互いに深く出会っていくというグループイメージはとても魅力的で、そのような場を実現できるようになりたくて、いろんなところに赴いて、経験を積んだ。

当時、エンカウンターグループは、組織に人間中心の雰囲気をもたらす革新的なアプローチとして、「静かなる革命」とか「20世紀最大の社会的発明」といった評価が寄せられ、教育、医療、福祉などに携わる多くの人々がこの方法に触れた。

しかし、今、見回してみても、非構成のエンカウンターグループを行う人や場所は、少ない。実践家の多くは、構成的グループに移行していった。

あらかじめグループの狙いや目的を明確化し、アイスブレークやウォームアップ、出会いや気づきのワークなど多数の心理テクニックを用いて、決められた時間内に所定の効果をあげるやり方の方が、学校や企業などでは歓迎される。

人生や生き方に決定的な影響をもたらす本当の何事かが起こるまで、非構成的なグループのプロセスの中で、誠実に、待つ、と言う態度を堅持することは、難しいことなのだろうか。

オープンダイアローグの理論を整備したセイックラ教授は、エンカウンターグループにはなかった三つの観点を繰り返し強調している。

まず「不確実性への耐性」という概念によって、治療者が問題についていかなる予断も持たずに、たとえやりとりが非生産的に見えようともよく耐え、専門性を使って安易に操作せず、 生々しい対話や関係性のあいまいさの中に、果敢に存在し続けることのしんどさを「価値」として可視化してみせた。

「対話主義」は、どんな不思議な発話、幻聴や幻覚であっても敬意をもって真剣に聴き、医学用語ではなく、患者や家族と心から共有理解できる新しい言葉を協力して生み出すこと。

「意味とは人と人とのあいだの空間に現れる」「声は相互の対話の中にある」「瞬間瞬間の同調」「同じ空間を共有」など、関係性や空間そのものを主体とする視界が特徴的である。

「 ポリフォニー」とは、「ミーティング」と呼ばれる対話の場において、まったく異なる複数の主張も、その語られるままに聞き取り、あたかも一つの民族文化のようにみなして互いに存在し合い、治療目標や問題解決へ向かって導かないこと。これは従来の自他の区別や個人の尊厳といった視点より、全体的、関係存在的な視界である。

かつて、大学の人事課主催で、全学の課長クラスの職員を集めて、目的を設定せず、ありのままの対話を重視するグループを行ったとき、人事課長が「このグループは何を話してもいいんですか?たとえ上司や大学の悪口でも?」と不安げな表情で確かめに来たことを思い出す。人事課の机の上には数冊、個人心理学やエンカウンターグループの本が置かれていた。

個人が感じていることは何を表現しても尊重される、抑圧することは良くない、という価値観に触れれば管理職としては不安を感じるのも理解できる。

オープンダイアローグの概念を知った今はたとえばこう答えるかもしれない。

「このグループは、課長全員が一緒に座って言葉を交わすということが目的です。

ここでは各課の課長ひとりひとりの言葉を全員で聞くことができます。

誰かの考えを重視したり、一つの考えにまとめるということはしません。

全員が同じ空間にいるということ、それぞれの話し方や仕草などに触れること、お互いに人間として関係を持つということが、何かを決めたり問題を解決することより大事です。」




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